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2010年09月06日

過払い金の首位的請求

第1 主位的請求について
1 請求原因1及び2(1),(2)の事実は当事者間に争いがなく,超過利息は当然
に元本に充当されるから,昭和60年6月26日の弁済によって元利金の弁済
は終了し,かつ,3024円の遅延損害金が発生し,以後の弁済がすべて過払
金となる(このことは計算上明らかである。)。
2 それら過払い金に係る不当利得返還請求権については,当裁判所も時効により
消滅したと判断するが,その理由は,原判決書「事実及び理由」中の「第3
争点に対する判断」「1 争点(1)(消滅時効)について」に記載のとおりで
あるからこれを引用する。
第2 予備的請求について
1 貸金業法が施行されたのは昭和58年11月1日であり,本件取引開始時に
おいて,貸金業法はいまだ施行されておらず,かつ,同法附則6条1項は,貸
金業者がこの法律の施行前に業として行った金銭を目的とする消費貸借上の利
息の契約に基づき,この法律の施行後に,債務者が利息として金銭を支払った
ときは,当該支払については,第43条第1項及び第2項の規定(みなし弁済
の規定)は,適用されないとしているから,貸金業法が本件取引に適用される
余地はない。
したがって,本件取引において,超過利息の支払が貸金業法により有効な利
息の債務の弁済とみなされる余地は全くなかった。
2 ところが,甲第1及び第2号証によれば,被控訴人は,本件取引開始当初は,
年利にして47.45パーセント,昭和59年11月28日以降は,元利金が
完済された昭和60年6月以降も,年利にして39.5パーセントもの違法な
利率で計算された利息の支払を求め,その利息の支払を受領していたこと,約
定利率は,最終弁済がされた平成2年9月当初においても年利にして36パー
セントを超える高利であったことが明らかである。
3 利息制限法の各規定が強行規定であることは,その体裁上明らかであり,貸
金業者である被控訴人は,当然そのことを認識していたと認められる。また,
利息制限法1条2項及び4条2項に関し,判例(最判昭和39年11月18日
民集18巻9号1868頁及び最判昭和43年11月13日民集22巻12号
2526頁)が,同法所定の上限利率を超える利息及び損害金が支払われた場
合に,その超過利息等は元本に充当され,元本が完済された後に支払われた弁
済金については,不当利得として返還を求めることができるとの規範を採用し,
それが法規範として通用していることも貸金業者にとっては公知の事実である
と認められる。
そして,本件取引には貸金業法が適用されないこと(これも,被控訴人は当
然に認識していたというべきである。)に照らせば,被控訴人が,本件取引に
おいて,支払われた超過利息を利息ないし損害金として適法に保持する余地は
なく,適法な営業を前提とする限り,残元本があれば超過利息は元本に充当し,
元本完済後の弁済金は不当利得とする以外の計算を行うことは,およそ観念で
きなかったのである。
したがって,被控訴人は,本件取引にあっては,超過利息が支払われても,
それを利息制限法所定の利率に引き直して債権管理を行うべきであったといわ
ざるをえない。そうすると,被控訴人は,法人としては,元本完済後の弁済金
(本件取引にあっては昭和60年6月26日以降の弁済)についても,不当利
得として返還せざるを得ないものであることも認識し,あるいは当然に認識す
べきであったといえる。
しかるに,被控訴人は,原判決別紙取引履歴一覧表記載のとおり,元本完済
後も約定利率に従った利息の支払を求め,超過利息を受領し続けていた。債務
者が,元本が完済されているのに,なお弁済として金員を支払おうとする場合
は,元本の完済を認識していないと考えるのが通常であるし,それが利息制限
法等の法令に通暁していないことに起因することもまた明らかである。
以上によれば,被控訴人がした過払い金となる弁済金の受領行為は,債務者で
ある控訴人の無知に乗じ,適法に保持し得ない金員を収受するものというべき
であるから,社会的相当性を欠く違法な行為といわざるを得ず,民法709条
所定の不法行為を構成する。
4 上記不法行為によって,控訴人に生じた損害は,昭和60年6月26日の弁
済金のうち3024円及び同年7月30日から平成2年9月6日までの弁済金
全部の合計79万4973円である。
5 本件不法行為に基づく損害賠償債権は発生と同時に遅滞に陥るから,被控訴
人は,上記各損害の発生の日(各弁済日)以降民法所定の年5分の割合による
遅延損害金の支払義務を負う。その遅延損害金の平成2年9月6日までの累計
額は,別紙損害金計算表のとおり11万9263円となる。
6 以上のとおり,予備的請求は,損害賠償金79万4973円,平成2年9月
6日までの遅延損害金11万9263円及び翌9月7日から損害賠償金完済ま
で年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。  


Posted by ミカ at 15:03Comments(0)